“ひんく”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヒンク
語句割合
貧苦85.7%
貧窶14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夫は今でこそ若崎わかざき先生、とか何とか云われているものの、もとは云わば職人で、その職人だった頃には一ㇳ通りでは無い貧苦ひんくと戦ってきた幾年いくねんあいだ浮世うきよとやり合って
鵞鳥 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
たとへのやうな貧苦ひんくなかでも二人ふたりそろつてそだてる長者ちやうじやくらしといひまする、わかれゝば片親かたおやなににつけても不憫ふびんなは此子このことおおもひなさらぬか、あゝはらはたくさつひと可愛かあいさもわかりはすまい
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
われは此詞を聞きて、向ひの壁を仰ぎ看しに、一面の大畫幅あり。わくを飾れる黄金の光の、燦然さんぜんとして四邊あたりを射るさま、室内貧窶ひんくの摸樣と、全く相反せり。
女王は身の丈甚だ高からず、おもての輪廓鋭くして、黒き目は稍〻おちいりたり。衣裳つきはいと惡し。無遠慮に評せば、擬人せる貧窶ひんく妃嬪ひひん裝束さうぞくしたるとやいふべき。
シチリアの自然、その豐饒ほうねうの一面と荒蕪の一面とはこゝにあり。シチリアの希臘古祠はこゝにあり。而してシチリアの貧窶ひんくもまたこゝにあり。一行のめぐりには一群の乞丐かたゐ來り集ひたり。