“ひんる”の漢字の書き方と例文
語句割合
貧窶100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
錦を故郷に飾つたためしはいくらも眼の前にころがつて居るから、志を故郷に得ぬものや、貧窶ひんるきやう沈淪ちんりんしてうにもうにもならぬ者や、自暴自棄に陥つた者や、乃至ないしは青雲の志の烈しいものなどは
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
渋江保さんは当時の貞白の貧窶ひんるを聞知してゐる。貞白は嘗て人に謂つた。「己の内では子供が鰊鮞かずのこを漬けた跡の醤油を飯に掛けて、饅飯だと云つて食つてゐる」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
妾らここに見るあり曩日さきに女子工芸学校を創立して妙齢の女子を貧窶ひんるうちに救い、これにさずくるに生計の方法を以てし、つねさんを得て恒の心あらしめ、小にしては一身いっしんはかりごとをなし
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)