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でさか
失ひ花見と
言ば上野か
隅田又は日暮里飛鳥山人の
出盛る
面白き所へ行が
本統なるに如何常より
偏屈成若旦那とは言ながら
遠き王子へ態々行夫も
賑ふ日暮里をば
嫌ひて
見榮なき
土地の音羽を
雜と
十日ばかり
後れて
居ますです。
最う
雪ですからな。
風によつては
今夜にも
眞白に
成りますものな。……
尤も
出盛りの
旬だと
云つても、
月の
頃ほどには
來ないのでしてな。
湿った
頁を破けないように開けて見て、始めて都には今
洪水が
出盛っているという報道を、
鮮やかな活字の上にまのあたり見たのは、
何日の事であったか、今たしかには覚えていないけれども