“たぶね”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
田舟71.4%
田船28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そういって木部は川べのあしを分けてしばらく姿を隠していたが、やがて小さな田舟たぶねに乗って竿さおをさして現われて来た。その時葉子は木部が釣り道具を持っていないのに気がついた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
七日朝五、行方の船子ふなこ村へ逃げこんだ十一人は、忠兵衞といふ百姓を脅迫して五丁田から田舟たぶねを出させ、霞浦も三又近くのがれた處へ、小笠原某小舟數艘にて追駈け、鐵砲をぶちかけた。
天狗塚 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
最後に川の上を通る船も今では小蒸汽こじようき達磨船だるまぶねである。五大力ごだいりき高瀬船たかせぶね伝馬てんま荷足にたり田船たぶねなどといふ大小の和船も何時いつにか流転るてんの力に押し流されたのであらう。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
あしうへをちら/\と陽炎かげろふに、そでかもめになりさうで、はるかいろ名所めいしよしのばれる。手輕てがる川蒸汽かはじようきでもさうである。や、そのあしなかならんで、十四五艘じふしごさう網船あみぶね田船たぶねいてた。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)