“たはらや”の漢字の書き方と例文
語句割合
俵屋100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
どこの田舍ゐなかにもあるやうに、とうさんのむらでも家毎いへごと屋號やがうがありました。大黒屋だいこくや俵屋たはらや八幡屋やはたや和泉屋いづみや笹屋さゝや、それから扇屋あふぎやといふやうに。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
この優しく美しい内儀が、病人の主人の代りに、俵屋たはらやの實權を握つて、何彼なにかと評判のあることは、あまり遠くないところに住んでゐる、錢形平次も一應は知つてをります。
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
ずつとさかしたはうの三浦屋うらやという宿屋やどやはうんでくのもあります。むら染物そめものをする峯屋みねやへも、俵屋たはらやのおばあさんのうちへも、和泉屋いづみや和太郎わたらうさんのおうちへもんできました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
いかに浮氣で、愛嬌もので、少々は嘘つきであつたにしても、長者町の俵屋たはらやといへば、下谷一番といはれた身上しんしやう、その孫右衞門の娘のお粂が、冗談や嘘にこんな事がいへる筈もありません。
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
伯父をぢさんはとうさんたち引連ひきつれまして、日頃ひごろしたしくする近所きんじよ家々うち/\挨拶あいさつりました。大黒屋だいこくやれば小母をばさんたちうちそとまで見送みおくり、俵屋たはらやればおばあさんが見送みおくつてれました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)