“そっぽ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
外方61.1%
11.1%
側方5.6%
外向5.6%
容貌5.6%
素方5.6%
顔付5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
憂愁をたたえた清らかな眼差まなざしは、細く耀かがやきを帯びて空中を見ていたが、栖方を見ると、つと美しい視線をさけて外方そっぽを向いたまま動かなかった。
微笑 (新字新仮名) / 横光利一(著)
「応さ、違わなくてか。お前さんとこへ出向いた元七は、寸の伸びたそっぽに切れ長の細え眼——。」
すぐ側方そっぽを向いてしまって、足の甲だの、はぎのあたりだの、背筋の方だの、蚊に喰われたあとしきりにぼりぼり掻き始めました。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
その問答があまり可笑おかしいので、熊谷は側方そっぽを向いて腹を抱える、浜田はハンケチを口へあててクスクス笑う、綺羅子もそれと感づいたらしくニヤニヤしている。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
田鶴子さんも子供ながら、この辺の呼吸を相応に心得ていると見えて、幾度か外向そっぽを向いた末、大きな真珠の入った襟留ブローチを買って貰った。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
……窩人窩人で城下の奴らが鬼のように恐れているその窩人の娘とあっては、ちょっと好奇心ものずきも起ころうというものだ。それに容貌そっぽだって相当踏める。変わった味だってあるだろう。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
自分が、非常に望をかけて居た者を、不意に、素方そっぽから飛び出した者の手に、奪われてしまったと云う事は、どんなに私を失望させた事だろう。
暁光 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
だが、顔付そっぽ皆目まるきりわからねえ。よくもこう切り細裂こまぜえたもんよなあ。怨恨だ、なあ勘、われに訊くが男の恨みでいっち根深えのあ——?