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さふらふうち
久う
御目もじ致さず
候中に、別の人のやうに
総て
御変り
被成候も、
私には
何とやら悲く、又
殊に御顔の
羸、御血色の悪さも
一方ならず
被為居候は、
如何なる
御疾に候や
昼の
中は
頭重く、胸閉ぢ、
気疲劇く、何を致候も
大儀にて、
別けて人に会ひ候が
憥く、
誰にも
一切口を
利き
不申、
唯独り
引籠り居り候て、
空く時の
経ち
候中に、
此命の絶えず
些づつ弱り候て
是のみは
御憎悪の中にも
少は
不愍と
思召被下度、かやうに
認め
居り
候内にも、涙こぼれ候て
致方無く、覚えず
麁相いたし候て、かやうに紙を
汚し申候。
御容し
被下度候。