候中さふらふうち)” の例文
ひさし御目おんめもじ致さず候中さふらふうちに、別の人のやうにすべ御変おんかは被成なされ候も、わたくしにはなにとやら悲く、又ことに御顔のやつれ、御血色の悪さも一方ひとかたならず被為居候ゐらせられさふらふは、如何いかなる御疾おんわづらひに候や
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
昼のうち頭重つむりおもく、胸閉ぢ、気疲劇きづかれはげしく、何を致候も大儀たいぎにて、けて人に会ひ候がうるさく、たれにも一切いつせつくち不申まをさず唯独ただひと引籠ひきこもり居り候て、むなしく時の候中さふらふうちに、此命このいのちの絶えずちとづつ弱り候て
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)