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ごそゑん
なし餘り久々
御疎遠なれば
御機嫌も
伺ひ度又此方の
御樣子如何と存じ母を同道して
出馬喰町武藏屋清兵衞方に
罷在候と申けるに利兵衞の心は
疾より
變り
持參金のある
聟を
待たば
空の
月の
逢みるべきぞとならば
嬉しけれど
若しやの
願ひに
左樣見ゆるにや
寧そ
愁らからば一
筋ならで
頼みのある
丈まどはるゝなり
扨もお
便りの
聞えぬは
何故我れ
厭はせ
給ひなば
此處へこそ
御入來なく
共本宅へまで
御踈遠とは