“こもん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
小紋48.5%
小門24.2%
顧問15.2%
脇門3.0%
孤悶3.0%
3.0%
鼓門3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その小紋こもん女羽織をんなばおりはわたしの母が着た物である。母もとうに歿してしまつた。が、わたしは母と一しよに汽車に乗つた事を覚えてゐる。
わが散文詩 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
宙は女と離れてその前にある小門こもんの口の方へ歩いて往った。宙はその時女の足が一足二足自個じぶんを追って来たように感じた。
倩娘 (新字新仮名) / 陳玄祐(著)
このたびはシカゴ畜産組合の顧問こもんとして本大祭に御出席を得只今より我々の主張の不備の点を御指摘ごしてき下さる次第であります。一寸ちょっと紹介申しあげます。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
と、その脇門こもんが内側から開いて、浮藻を抱いた小次郎と、桂子とが走り出して来、それを追って大勢の者が、雲でも涌くように涌き出して来た。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
脇門こもんでも破ってはいってみようか」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
わん喉吻こうふん潤い、二椀孤悶こもんを破る。三椀枯腸をさぐる。おもう文字五千巻有り。四椀軽汗を発す。平生不平の事ことごとく毛孔に向かって散ず。五椀肌骨きこつ清し。六椀仙霊せんれいに通ず。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
翌日張は華陰を出発して、十日ばかりの後に偃師えんしという処まで往った。そして、旅館に着いて休息していると、こもんを開けて入ってきた者があった。それは黄いろな服を着たかの脚夫であった。
賭博の負債 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
だからこの辺の住民は、そこの門のことを、六鼓門こもんと呼んでいたが、今日もまた、赤い夕陽が鉄のにさしかける頃、望楼の鼓が、もう二つ三つ四つ……と鳴りかけていた。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)