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このえん
よしや
此縁を
厭ひたりとも
野末の
草花は
書院の
花瓶にさゝれんものか、
恩愛ふかき
親に
苦を
増させて
我れは
同じき
地上に
彷徨はん
身の
取あやまちても
天上は
叶ひがたし
厭だ、
何うしても
此縁につながれて、これからの
永世を
光りも
無い
中に
暮すのかしら、
厭な
事の、
情ない
身と
此やうな
事を
思ふて、
人はお
目出たうと
言ふて
呉れても
私は
少しも
嬉しいとは
思はず