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くすりう
子供らは、
人さらいがきたといって、この
薬売りがくると
怖ろしがって
逃げ
隠れたりして、だれもそばには
寄りつきませんでした。
荷物を
背中に
負って、
薬売りの
少年は、
今日も
知らぬ
他国の
道を
歩いていました。
北の
町から
出た
行商群の
一人であったのです。
忌はしからうが
何うしようが、
藥賣りが
町を
歩行くのに、
故障を
言へるわけはありません。
(
藥賣りぢやに
買ひないな、
可え
所へ
來たでや。)