“ききょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:キキョウ
語句割合
桔梗78.7%
奇矯17.2%
奇嬌1.8%
気胸1.2%
帰敬0.6%
帰京0.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
車のいずるにつれて、あしまばらになりて桔梗ききょうの紫なる、女郎花おみなえしの黄なる、芒花おばなの赤き、まだ深き霧の中に見ゆ。
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
そして宗右衛門町の桔梗ききょう屋という家に上り、文子を呼んでもらうと、文子は十日ほど前にレコード会社の重役に引かされて東京へ行かはった。
アド・バルーン (新字新仮名) / 織田作之助(著)
白菊黄菊、大輪の中に、桔梗ききょうがまじって、女郎花おみなえしのまだ枯れないのは、功徳の水の恵であろう、末葉うらはも落ちず露がしたたる。
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この言葉は一応奇矯ききょうに聞こえるが、静かに考えると、非常に含蓄がんちくの深い、適切無比な形容詞であることに気がつくだろう。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
現に今日でも世界の人間の大多数に愛好されているのは、依然として正常健康な音楽であり、決して奇矯ききょう激越の調でないことは統計的にも明らかである。
望ましい音楽 (新字新仮名) / 信時潔(著)
少し奇矯ききょうな例であるが、山奥で道に迷った時、或る木を見て、これは人工の加わった枝ぶりだと知って、その方向に歩いて助ったとする。
私は、レエヌを気の毒な娘だと思っています。誰からも愛されないし、誰からも好かれない。自分で、嫌われるように嫌われるようにしむけてゆくのです。……なにびとをも愛さなければ、どんな親切をも受けつけない。奇嬌ききょうで、廃頽的で、ひねくれていて、ひょっとすると、徳性モラリティというものを全然持っていないようにさえ見える。
キャラコさん:05 鴎 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「熱はもうすっかり退がりました。津軽先生が、この薬とてもよくくとおっしゃるの」そう云って黒い小粒の薬を彼に見せながら、「そのうち気胸ききょうもしてみようかとおっしゃるの、でも、糖尿の方があるので……」と、妻は仔細しさいそうな顔をする。
秋日記 (新字新仮名) / 原民喜(著)
大炊御門おおいのみかど左大臣(経宗)という人は月輪兼実とは違い、日頃から余り信仰のない人であったが、ある人の方便で上人を請じ屏風びょうぶを距てて念仏談を聞き信仰心を起して法然に帰敬ききょうし、文治五年の二月十三日に生年七十一で出家を遂げたがその月八日臨終正念の往生をとげたという。
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)
自分もそうそういっしょにはおられないので帰京ききょうすると、花前はなまえはそのまま一年半もその家におった。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)