“かけぶとん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
掛蒲団65.2%
掛蒲團13.0%
掛布団13.0%
懸蒲団4.3%
掛布團4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「私は今、何事なんにも思いません」と正太は両手を白い掛蒲団かけぶとんの上へ力なげに載せて、大きく成った眼で三吉の方を見た。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それではまた炬燵こたつでもこしらえたらうだ、自分じぶんあたるからとつて、とう/\やぐら掛蒲團かけぶとんきよけて、座敷ざしきはこばした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
掛布団かけぶとんはしねられた寝床ねどこ人形がゆかに落ちて俯向うつむきになっていた。鼻を床につけて正直にうつ向きになっていた。ただそれだけが彼女を一時間も悲しく泣かした。
売春婦リゼット (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
平吉は長櫃ながもちふたけた。中には松に鶴の模様のある懸蒲団かけぶとんが三枚入っていた。裏は萌黄もえぎであった。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
テムプル先生の寢臺に近く、そのまつ白なカァテンに半ばおほはれて、小さな子供用の寢臺があつた。その掛布團かけぶとんの下には人の型の輪郭が見えるけれど、顏はカァテンの蔭にかくされてゐた。