“かけある”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
馳歩20.0%
駈歩20.0%
奔走20.0%
駆歩20.0%
駆歩行20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
御恩も、なさけも、思う暇が有ません。もうその時の私は、藁草履わらぞうり穿いて、土だらけな黒い足して、谷間たにあい馳歩かけあるいた柏木の昔に帰って了いました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
野獣けもののように土だらけな足をして谷間たにあい馳歩かけあるいた私が、結構な畳の上では居睡いねむりも出ました位です。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それが今この場合に雪中を跣足はだし駈歩かけあるくのは、何か仔細があるらしくも思われるので、巡査も職掌柄、すぐその跡を追って行った。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
重太郎はお葉の跡を追って、これも東西のきらい無しに山中やまじゅうを駈け廻ったが、容易に女を捉え得なかった。嶮岨けんそに馴れたる彼は、飛ぶが如くに駈歩かけあるいて、一旦はふもとまで降ったが又思い直して引返ひっかえした。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
今日きょうも朝から一日奔走かけあるいたので、すっかりくたびれてしまって、晩方一風呂ひとっぷろはいったところが、暑くて寝られんから、ぶらぶら納涼すずみに出掛けて、ここで月をていたうちに
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
又、彼等は先祖代々深山幽谷しんざんゆうこくに棲んでいるから、山坂を駆歩かけあるくことは普通の人間よりも素捷すばやいであろうし、腕力もまた強いかも知れない。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
留守になると、橋手前には腕白盛わんぱくざかりの滝太一人、行儀をしつけるものもなし、居まわりが居まわりなんで、鼻緒を切らすと跣足はだし駆歩行かけあるく、袖が切れれば素裸すッぱだかで躍出る。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)