“かいこく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
廻国44.4%
開国16.7%
戒告16.7%
回国5.6%
海国5.6%
誡告5.6%
買穀5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「あなたを捜していたのです」と玄一郎に向って云った、「……あのときから今日まであなたを探しながら廻国かいこくしていたのです、あなたを捜しながら」
山だち問答 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
小栗の人物じんぶつは右のごとしとして、さて当時の外国人は日本国をいかに見たるやというに、そもそもの米国の使節しせつペルリが渡来とらいして開国かいこくうながしたる最初さいしょの目的は
玄蕃允に戒告かいこくした自己のことばの的中を、暗に誇るかのようにいったのは、かつては、瓶破かめわりとよばれ、鬼柴田ともいわれた剛将の声として、それを思う者には、あわれに聞えた。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
生き別れをした吾子わがこを尋ね当てるため、六十余州を回国かいこくして、てもめても、忘れるがなかったある日、十字街頭にふと邂逅かいこうして、稲妻いなずまさえぎるひまもなきうちに、あっ、ここにいた
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あの靄の輪廓りんかくに取り巻かれているあたりには、大船おおぶねに乗って風波ふうはを破ってく大胆な海国かいこくの民の住んでいる町々があるのだ。その船人ふなびとはまだ船のき分けた事のない、沈黙のうしおの上を船で渡るのだ。
……今、あんな人間から来ている手紙を見たのは、冷酷で皮肉と思われる運命の神がその実深切に、自分に誡告かいこくしてくれたのかも知れぬ。
狂乱 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
買穀かいこくをし度いにも金がねえ、御払米が一万石出たが、それもお湿りにもならないじゃないか、町方はせめて十万両も米を買上げて、半値に売り度いと言うそうだが、駿河守様は
黄金を浴びる女 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)