“おおどこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
大床18.2%
大店18.2%
大所18.2%
大賈18.2%
大商店9.1%
大商賈9.1%
大家9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
此方こなたの山三郎は中々待ってなどは居りません、ずん/\玄関口から案内もなくずうっと奥へ通り、粥河圖書の居ります二けん大床おおどこ檳榔樹びんろうじゅの大きな柱の前の処へぴったり坐って、たいを据えました。
赤羽橋の橋づめに網を張ったのが図にあたって駕籠をすえると間もなく大店おおどこのご隠居のようなのが、大急ぎで品川の『観海楼かんかいろう』まで。観海楼へ送りこむと、また赤羽橋まで取って返す。
落魄おちぶれた華族のお姫様じゃと言うのもあれば、分散した大所おおどこ娘御むすめごだと申すのもあります。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
贅沢な衣裳みなりとどことなく鷹揚なようすを見ても下町の大賈おおどこの箱入娘だということが知れる。
顎十郎捕物帳:20 金鳳釵 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
四十五、六の立派な仁態じんてい、デップリと肥えた赧ら顔、しかもみなりは縞物ずくめで、どこから見ても海賊とは見えず、まずは大商店おおどこの旦那である。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
朱塗の大きな円卓えんたくをかこんで、格式張ったお役人ふうなのをひとりまぜ、大商賈おおどこの主人とも見える人体じんていが四人、ゆったりと椅子にかけ、乾酪チーズを肴に葡萄酒の杯をあげている。
顎十郎捕物帳:14 蕃拉布 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
学齢ではないのだが、私立尋常代用小学校という札の出たのは後のことで、秋山源泉学校という、別室には、習字と裁縫と、素読だけに通ってくる大家おおどこの娘たちもあるので、六歳でも通えるのだった。