大店おおどこ)” の例文
年は二十五、六でもあろうか、大店おおどこ商人あきんどせがれめいた、美貌で痩せがたの男であった。襟をひろげて、裾を乱して、そこから清らかな胸や脛を、痛々しそうに現わしていた。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
赤羽橋の橋づめに網を張ったのが図にあたって駕籠をすえると間もなく大店おおどこのご隠居のようなのが、大急ぎで品川の『観海楼かんかいろう』まで。観海楼へ送りこむと、また赤羽橋まで取って返す。