“えかき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
画工42.5%
画家30.0%
絵師12.5%
画師5.0%
画人2.5%
画伯2.5%
畫工2.5%
絵工2.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その時は画工えかきの筆癖から来る特色を忘れて、こう云う頭の平らな男でなければ仙人になる資格がないのだろうと思ったり
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
床の間には、父忠寛と同時代の人で、しかも同村に生れた画家えかきのこした筆が古風な軸に成って掛っている。鳥を飼う支那風の人物の画である。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
……いっては、あれだけの絵師えかきに相済まないが、かかげてあるのは第何板、幾度かえして刷ったものだか、線も太ければ、勿論厚肉で、絵具も際どいのをお察し下さるように。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……それに、その細君というのが、はじめ画師えかきさんには恋人で、晴れて夫婦になるのには、この学士先生が大層なお骨折りで、そのおかげで思いがかなったと申したようなわけだそうで。
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ソウして立派な画人えかきが書いてもアノようには書けぬというように、フランス革命のパノラマ(活画)を示してくれたものはこの本であります。
後世への最大遺物 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
「……もう古い事ですわ。明治二十年頃のお話ですからね。畿内の小さな大名植村駿河守するがのかみという十五万石ばかりの殿様の御家老の家柄で、甘木丹後あまきたんごという人の末ッ子に甘木柳仙りゅうせんという画伯えかきさんがありました」
二重心臓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
もと豊国国貞の風を慕って、浮世絵師の渡世とせいをして居たゞけに、刺青師に堕落してからの清吉にもさすが畫工えかきらしい良心と、鋭感とが残って居た。
刺青 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「噴出さしちゃ不可いけないぜ。私は最初はなから、気にも留めていなかった、まったくだ。いまこう真剣となると、黙っちゃいられない。対手あいてがある、美芸青雲派の、矢野きみも知ってる名高い絵工えかきだ。」
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)