絵師えかき)” の例文
旧字:繪師
『それでは、わしの姪にあたるのですが、その亭主が絵師えかきですから、其処そこへ行ってお聞きなさい、ナアニ、直き向こうの小さい家です』
職業の苦痛 (新字新仮名) / 若杉鳥子(著)
……いっては、あれだけの絵師えかきに相済まないが、かかげてあるのは第何板、幾度かえして刷ったものだか、線も太ければ、勿論厚肉で、絵具も際どいのをお察し下さるように。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「そんならお前さんは、絵師えかきさんかえ」
歌麿懺悔:江戸名人伝 (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
やがて八九年前になります——山つづきといってもい——鶯谷にも縁のありますところに、大野木元房おおのきもとふさという、歌人うたよみで、また絵師えかきさんがありまして、大野木夫人、元房の細君は
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
現代いまのおいらんなんだそうですけれど、作者だか、絵師えかきさんだかの工夫ですか、意匠こころつもりで、むかし風にあつらえたんでしょう、とおっしゃって、それに、雑誌にはいろいろの作が出ておりますけれど
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)