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えうよう
どんな
大至急要用でも
封といふを
切つた
事は
無く、
妻とは
言へ
木偶がお
留守居して
居るやうに
受取一通で
追拂つて、それは
冷淡に
投げて
置いたものなれば、
旦那さまの
御立腹は
言はでもの
事
叩きて
案内申入ければ七右衞門の家内は夜中の事ゆゑ
不審何れの
邸よりの使にや
未だ夜の
明ざるに來る事
能々火急の用向ならんと思ひ尋ねければ郷右衞門は
據ころなき
要用にて
罷越たり七右衞門
在宿なれば
面談申度と
言入けるに七右衞門在宿に候と答へながら
出迎ひ是は