“あじはひ”の漢字の書き方と例文
語句割合
100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さかうへ煙草屋たばこやにて北八きたはちたしところのパイレートをあがなふ。勿論もちろん身錢みぜになり。舶來はくらい煙草たばこ此邊このへんにはいまれあり。たゞしめつてあじはひならず。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
春は俗を狂せしむるによけれど、秋の士を高うするにかず。花の人を酔はしむると月の人をましむるとは、おのづからあじはひを異にするものあり。
秋窓雑記 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
此駅鮧魚いぎよあじはひなり。方言牛の舌といひ又略して舌といふ。加古川を渡り阿弥陀宿あみだじゆく村をすぎ六騎武者塚(里俗喧嘩塚)といふを経て三里御著ごちやく駅に至り一里姫路城下本町表屋九兵衛の家に宿す。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
松山峠を経二里久保田駅(一名久保市)なり。二十八町花岡駅。山崎屋和兵衛の家に休す。主人手みづから比目魚ひもくぎよを裁切して蓼葉酢りくえふさくに浸し食せしむ。あじはひ最妙なり。山路を経るに田畝望尽のぞみつきて海漸くあらはる。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)