“つりせん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
剰銭38.1%
剩錢28.6%
釣銭19.0%
剰金4.8%
吊銭4.8%
釣錢4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その剰銭つりせんで、どこかで冷酒ひやざけの盗み飲みをした宅助は、やっと虫が納まって、ふらつくのを、無理に口を結んで帰ってきたが、周馬や一角や孫兵衛は、まだ湯どうふ屋の見晴らしに
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一圓紙幣を渡して勘定して貰ふと、これが又驚くほど手間取つて剩錢つりせんを持つて來た。
新帰朝者日記 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
外に出て買う時に限って敷島しきしまを吸うのは、十銭銀貨一つほうり出せば、釣銭つりせんらずに便利だからである。朝日よりも美味うまいか如何どうか、私には解らぬ。
ビクビクしながら、懐中から拾った金のうちの十円紙幣を一枚抜き出して渡したが、店の者は別に怪しみもせず剰金つりせんを呉れた。それから彼は食糧品店に行った。
罠に掛った人 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
その女の笑声わらいごえが耳馴れたように聞えたので、店の上さんが吊銭つりせんの勘定をしている間、おもちゃの独楽こまを手に取って眺めていた純一が、ふと頭を挙げて声の方角を見ると
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
わか下女げぢよ細君さいくんまへすわつて、釣錢つりせんらしいさつ銀貨ぎんくわたゝみならべてゐた。主人しゆじん宗助そうすけ
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)