“會(あ)” の例文
新字:会
何時(いつ)か、何かの方法であなたが私に盡してくれるといふことがね——初めてあなたに會(あ)つたときにあなたの眼を見てさう思つたんです。
「來年(らいねん)また歸(かへ)つて來(く)る迄(まで)は會(あ)はないから、隨分(ずゐぶん)氣(き)を付(つ)けて」と云(い)つた。其(その)歸(かへ)つて來(く)る時節(じせつ)には、宗助(そうすけ)はもう歸(かへ)れなくなつてゐたのである。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
が、親切(しんせつ)な車夫(くるまや)は、その信(しん)ずるものに會(あ)つて、頼(たの)まれた客(きやく)を渡(わた)すまでは、建場々々(たてば/\)を、幾度(いくたび)か物色(ぶつしよく)するのが好意(かうい)であつた。で、十里(じふり)十五里(じふごり)は大抵(たいてい)曳(ひ)く。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
「君(きみ)、此(こ)の頃(ごろ)躰(からだ)は何うかね。」と暫(しばら)くして私はまた友に訊(たづ)ねた。私達(たち)は會(あ)ふと必(かなら)ず孰(どツ)ちか先(さき)に此(こ)の事を訊(き)く。
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
實(じつ)はモールスの署名(しよめい)は、僕(ぼく)ばかり貰(もら)つたのだと思(おも)つて、先日(せんじつ)杉村氏(すぎむらし)に會(あ)つた時(とき)に、實(じつ)に天下一品(てんかいつぴん)だ、完全(くわんぜん)の土器(どき)を百貰(もら)つたより嬉(うれ)しいと禮(れい)を云(い)つたのだつたが
『可笑(をか)しい事(こと)を言(い)ひますね、昨年(さくねん)あんなに世話(せわ)になつた人(ひと)に會(あ)ひたいのは當然(あたりまへ)だらうと思(おも)ふ。』
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
あなたのような美(うつく)しい、若(わか)いお媛(ひめ)さまに會(あ)ふために、私(わたし)が黥(いれずみ)をしておいた、この眦(めじり)の黥(いれずみ)です。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
「ほんたうにお氣の毒に! あたし今日まで、あなたの小さな娘さんのことを存じませんでしたの。でも、いつかはお會(あ)ひになれますわ。——あたし、どんなにそれを祈つてゐるでせう。」
水車のある教会 (旧字旧仮名) / オー・ヘンリー(著)
直(たゞ)ちに軍艦(ぐんかん)「日(ひ)の出(で)」に搭載(たふさい)して、同時(どうじ)に暗號電報(あんがうでんぽう)をもつて、松島海軍大佐(まつしまかいぐんたいさ)は本國(ほんごく)政府(せいふ)よりの許可(きよか)を受(う)け、來(きた)る二十五日(にち)拂曉(ふつげう)に海底戰鬪艇(かいていせんとうてい)と相(あひ)會(あ)ふ可(べ)き筈(はづ)の橄欖島(かんらんたう)の方向(ほうかう)を指(さ)して進航(しんかう)した。
それで、その夜はお會(あ)いにならないで、翌晩お會(あ)いなさいました。
元來(がんらい)この帶(たい)の樹木(じゆもく)はすべて常緑濶葉樹(じようりよくかつようじゆ)で、こなら、くぬぎ等(など)の落葉濶葉樹(らくようかつようじゆ)がその間(あひだ)に點々(てん/\)と混(まじ)つてゐる筈(はず)なのですが、常緑濶葉樹(じようりよくかつようじゆ)は昔(むかし)からたび/\伐(き)られたり、又(また)は野火(のび)の害(がい)に會(あ)つたため、數(かず)が減(へ)り
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
ともすれば、まためぐり會(あ)ふ魂(たま)あへる子(こ)や、——
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫、薄田淳介(著)
早(はや)う往(い)て、馬(うま)どもを傭(やと)うてくれ、やがて會(あ)はう。
彼等(かれら)のあるものは、避暑(ひしよ)といふ名義(めいぎ)の下(もと)に、既(すで)に東京(とうきやう)を離(はな)れてゐた。あるものは不在(ふざい)であつた。又(また)あるものは多忙(たばう)のため時(とき)を期(き)して、勤務先(きんむさき)で會(あ)はうと云(い)つた。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
(己(おのれ)は難船(なんせん)に會(あ)ふやうなものか、何(ど)うぢや。)と、其處(そこ)で胸(むね)が、(お前(まへ)は隨分(ずゐぶん)罪(つみ)を造(つく)つて居(ゐ)るから何(ど)うだか知(し)れぬ。)と恁(か)う答(こた)へられた日(ひ)にや、覺悟(かくご)もせずばなるまい。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
神武天皇(じんむてんのう)が、大和(やまと)の國(くに)のたかさじ野(の)といふところで、後(のち)に皇后樣(こう/″\さま)になられた、いすけより媛(ひめ)といふお方(かた)に、初(はじ)めてお會(あ)ひなされた時(とき)、お伴(とも)のおほくめの命(みこと)が、天皇樣(てんのうさま)の代理(だいり)で
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
『そして、僕(ぼく)は池上權藏(いけがみごんざう)に會(あ)つて見(み)たい』など高等商業(かうとうしやうげふ)の紳士(しんし)は大眞面目(おほまじめ)で言(い)つた。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
身震(みぶる)ひするやうな恐怖に續いて、激しい哀(かな)しみの戰慄が全身を走つた。そして、一つの願ひが生れた——私は、ヘレンに會(あ)はなければならない。そこで、私は彼女の寢かされてゐる室を訪(たづ)ねた。
めぐり會(あ)ふ日(ひ)はなかるべし。
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫、薄田淳介(著)
畑(はた)の中(なか)で一農夫(のうふ)に會(あ)つた。
紹介状(せうかいじやう)を貰(もら)ふときに東京(とうきやう)で聞(き)いた所(ところ)によると、此(この)宜道(ぎだう)といふ坊(ばう)さんは、大變(たいへん)性質(たち)の可(い)い男(をとこ)で、今(いま)では修業(しゆげふ)も大分(だいぶ)出來(でき)上(あ)がつてゐると云(い)ふ話(はなし)だつたが、會(あ)つて見(み)ると
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
昔(むかし)彼(か)の文覺(もんがく)と云(い)ふ荒法師(あらほふし)は、佐渡(さど)へ流(なが)される船路(みち)で、暴風雨(あれ)に會(あ)つたが、船頭水夫共(せんどうかこども)が目(め)の色(いろ)を變(か)へて騷(さわ)ぐにも頓着(とんぢやく)なく、大(だい)の字(じ)なりに寢(ね)そべつて、雷(らい)の如(ごと)き高鼾(たかいびき)ぢや。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
一人立ちをしたら、決してあなたなんかに會(あ)ひに來るものですか。
人(ひと)しれずこそ、會(あ)ひし日(ひ)の
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫、薄田淳介(著)
不意(ふい)に雪(ゆき)に會(あ)ひますると、時節(じせつ)の來(く)るまで何方(どちら)へも出(で)られぬことになりますから、私(わたくし)は稼人(かせぎにん)、家(うち)に四五人(にん)も抱(かゝ)へて居(を)ります、萬(まん)に一(ひと)つも、もし、然(さ)やうな目(め)に逢(あ)ひますると
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
兩名(りやうめい)の炭燒(すみやき)が、同一(おなじ)雪籠(ゆきごめ)に會(あ)つて封(ふう)じ込(こ)められたやうになり、二日(ふつか)三日(みつか)は貯蓄(たくはへ)もあつたが、四日目(よつかめ)から、粟(あは)一粒(ひとつぶ)も口(くち)にしないで、熊(くま)の如(ごと)き荒漢等(あらをのこら)、山狗(やまいぬ)かとばかり痩(や)せ衰(おとろ)へ、目(め)を光(ひか)らせて
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)