黍団子きびだんご)” の例文
旧字:黍團子
それは今日の昼飯ひるめしに怪しい僧にもけ、じぶん達もったような三個みっつ黍団子きびだんごであった。顎髯の男はうんと云って背後うしろに倒れて気を失った。
岩魚の怪 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
のみならず途中の兵糧ひょうろうには、これも桃太郎の註文ちゅうもん通り、黍団子きびだんごさえこしらえてやったのである。
桃太郎 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
のちにお腰に日本一の黍団子きびだんごをぶら下げて鬼ヶ島征伐に出かけるのですが、さて、あの時媼さんに拾われなかった、もう一つの小さい方の桃はその後どうなったでしょう。
六月 (新字新仮名) / 相馬泰三(著)
可愛らしいきつねの女の子が黍団子きびだんごをのせたお皿を二つ持って来ました。
雪渡り (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
黍団子きびだんごが出る」
村の成功者 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
黍団子きびだんごなぞら
鬼桃太郎 (新字新仮名) / 尾崎紅葉(著)
各自がうちから持って来た盛相飯もっそうめしあとにして、真中に置いた五しょう入りぐらいな飯鉢めしばちの中にある団子だんごを指でつまんで旨そうに喫いだした。団子は煮た黒い黍団子きびだんごであった。
岩魚の怪 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「それはもとより鬼が島を征伐したいと志した故、黍団子きびだんごをやっても召し抱えたのだ。——どうだ? これでもまだわからないといえば、貴様たちも皆殺してしまうぞ。」
桃太郎 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
可愛かあいらしい狐の女の子が黍団子きびだんごをのせたお皿を二つ持って来ました。
雪渡り (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)