“黍殻”の読み方と例文
読み方割合
きびがら100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
田舎で使ひ馴れた身藁みごや、黍殻きびがらの手箒などとは勝手が違つて、先の方が妙に手応てごたへがなかつたりして、どうもうまく使へなかつた。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
横四、五尺、両側は三尺足らずの屋台で、障子のような囲いをして、黍殻きびがらのようなものを横に渡したのに、簪が一杯刺し並べてあります。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
三方崩れかかった窪地の、どこが境というほどのくい一つあるのでなく、折朽おれくちた古卒都婆ふるそとばは、黍殻きびがら同然に薙伏なぎふして、薄暗いと白骨に紛れよう。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)