麗質れいしつ)” の例文
彼女の肉体は獣王の犠牲にえにひとたびは供されたが、今は彼女自身のものに立ち返っていた。天然の麗質れいしつは、死んでからよけいにたまのごとくかがやいていた。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
をかしかるべき空蝉うつせみのとものにして今歳ことし十九ねんてんのなせる麗質れいしつ、をしや埋木うもれぎはるまたぬに、青柳あをやぎいとのみきゝても姿すがたしのばるゝやさしの人品ひとがら
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
安宿は天性の麗質れいしつであり怜悧れいりであった。年齢も亦首皇子に相応し、生れながらにして、天皇の夫人たるべき宿命をあらわしていた。けれども三千代は更に一つの慾念があった。
道鏡 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
麗質嬌姿本絶羣 〔麗質れいしつ 嬌姿きょうし もとよりぐんぜっ
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)