魔手ましゅ)” の例文
ここに突如とつじょとして赤外線男の魔手ましゅは伸び、帝都全市民のおもては紙のように色をうしなって、「赤外線男」恐怖症きょうふしょうかからなければならなくなった。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
はたして、ゴルドンの推察すいさつがあたっているとすれば、海蛇うみへびらの魔手ましゅはすでに、洞の目前にまで伸ばされているのだ。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
この事件のかげにはおそるべきスパイの魔手ましゅがおどっているのではないかなどと、書きたてましたので、泰二君の学校友だちにも、たちまちこのことが知れわたりました。
妖怪博士 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
文麻呂 分りきっているじゃないか!……なよたけは車にのせられて、間もなくここへやって来るのだ!……俺と清原はここで待ち伏せをして、大納言の魔手ましゅから彼女を救い出すと云う段取りさ。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
あやうく四馬剣尺の魔手ましゅからのがれた、春木、牛丸の二少年は、つぎの日、山をくだると、そこで後日ごじつを約して戸倉老人とわかれた。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
老人の魔手ましゅにかかって、透明にされてしまう運命なのでしょうか。明智は、老人にいくら笑われても、へいぜんとして沈黙をまもっています。なんだか平気すぎるようではありませんか。
透明怪人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
日本国内に、ゲーペーウーが、潜入しているといううわさが、前々からあったけれど、まさか警備司令部までにその魔手ましゅが伸びていようとは、何人なんびとも想像できないところだった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
どうして魔手ましゅからのがれればいいのだ。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)