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高蒔絵
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たかまきえ
ふりがな文庫
“
高蒔絵
(
たかまきえ
)” の例文
旧字:
高蒔繪
と、
咲耶子
(
さくやこ
)
は、ねじとられた手をしずかにもぎはなした。そして
指
(
ゆび
)
の先の
琴爪
(
ことづめ
)
を
抜
(
ぬ
)
いて、
高蒔絵
(
たかまきえ
)
のしてある
爪筥
(
つめばこ
)
のなかへ、一つひとつていねいに入れた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
昨日仕舞い込んだ雛の道具の中から、
高蒔絵
(
たかまきえ
)
の可愛らしい雛箪笥を見付けて、念のために振ってみると、中でカラカラと鍵が鳴っているではありませんか。
銭形平次捕物控:132 雛の別れ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
黄金無垢
(
きんむく
)
の金具、
高蒔絵
(
たかまきえ
)
の、貴重な仏壇の修復をするのに、家に預ってあったのが火になった。
瓜の涙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私が大学で
教
(
おす
)
わったある西洋人が日本を去る時、私は何か
餞別
(
せんべつ
)
を贈ろうと思って、宅の蔵から
高蒔絵
(
たかまきえ
)
の
緋
(
ひ
)
の
房
(
ふさ
)
の付いた美しい
文箱
(
ふばこ
)
を取り出して来た事も、もう古い昔である。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「着ている物もぱりっとしているし、刀脇差の拵えもいいし、印籠は
高蒔絵
(
たかまきえ
)
だったわ、——梅の井にはちょうどおさんちゃんがいて、あたしが眼で知らせるとすぐにのみこんでくれた」
雪と泥
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
丹塗
(
にぬ
)
りに、
高蒔絵
(
たかまきえ
)
で波模様を現した、立派やかな、
唐櫃
(
からびつ
)
だった。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
その時、ふと、吉弥の腰に、葵紋をちらした
高蒔絵
(
たかまきえ
)
の印籠が、
燦
(
きら
)
と、
提
(
さ
)
がっているのを見て
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二の烏
生命
(
いのち
)
がけで乾ものを食って、
一分
(
いちぶん
)
が立つと思うか、
高蒔絵
(
たかまきえ
)
のお
肴
(
とと
)
を待て。
紅玉
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
清左衛門の取出したのを見ると、
梨地
(
なしじ
)
に菊の花を
高蒔絵
(
たかまきえ
)
にした見事な手文庫の、朱の紐を巻いた封は破られて、中を開けると、二三枚の小菊と、見すぼらしい短刀が入っているだけです。
銭形平次捕物控:035 傀儡名臣
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
藍
(
あい
)
を含む黒塗に、金を惜まぬ
高蒔絵
(
たかまきえ
)
は堂を描き、楼を描き、廻廊を描き、
曲欄
(
きょくらん
)
を描き、
円塔方柱
(
えんとうほうちゅう
)
の数々を描き尽して、なお余りあるを是非に用い切らんために、描ける上を往きつ戻りつする。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
二の烏
生命
(
いのち
)
がけで
乾
(
ひ
)
ものを食つて、
一分
(
いちぶん
)
が立つと思ふか、
高蒔絵
(
たかまきえ
)
のお
肴
(
とと
)
を待て。
紅玉
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
紐
(
ひも
)
の色、
高蒔絵
(
たかまきえ
)
、いくらか似てはおりますが、よくよく見ると、まるっきり違った品で、金蒔絵で散らした紋も、鷹の羽がいつの間にやら
抱茗荷
(
だきみょうが
)
になって、厳重にしたはずの封印もありません。
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
高
常用漢字
小2
部首:⾼
10画
蒔
漢検準1級
部首:⾋
13画
絵
常用漢字
小2
部首:⽷
12画
“高蒔”で始まる語句
高蒔繪