駿州すんしゅう)” の例文
管狐は駿州すんしゅう、遠州、三州の北部に多く、関東にては上野こうずけ下野しもつけに最も多し。上野の尾崎村のごときは、一村中この狐を
迷信解 (新字新仮名) / 井上円了(著)
君は医学を専門にして居たが、文芸を好み高山たかやま樗牛ちょぎゅうの崇拝者で、兄弟打連れて駿州すんしゅう竜華寺りゅうげじに樗牛の墓を弔うたりした。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
駿州すんしゅう清見寺内せいけんじない石碑せきひあり、この碑は、前年幕府の軍艦咸臨丸かんりんまるが、清水港しみずみなとたれたるときに戦没せんぼつしたる春山弁造はるやまべんぞう以下脱走士のめに建てたるものにして
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
去年の旅は甲州に始まり、佐渡を訪ね野州に入り、参州や駿州すんしゅうを廻って後、越後に深く入りました。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
この涼しさに元気づいて、半分は冗戯じょうだんだが、旅をすれば色々の事がある。駿州すんしゅうの阿部川もちは、そっくりしょうのものに木でこしらえたのを、盆にのせて、看板に出してあると云います。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
伊予のの蕪及び絹皮ザボン、大阪のおこし、京都の八橋煎餅やつはしせんべい上州じょうしゅう干饂飩ほしうどん野州やしゅうねぎ三河みかわの魚煎餅、石見いわみあゆの卵、大阪の奈良漬、駿州すんしゅう蜜柑みかん、仙台のたいの粕漬、伊予の鯛の粕漬
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
用事ありて駿州すんしゅう興津おきつに赴きけるに、線路の傍らに当たれる庵原郡倉沢村の天神社に、無数の燭火ともしびともりて石段に人影の見えたるより、この深更になにごとならんと
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
これより四、五日を経て、駿州すんしゅう地方にて縛につきたるために、そのことようやく判明せり。
迷信解 (新字新仮名) / 井上円了(著)