飛降とびお)” の例文
梯子はしご段を飛降とびおり、玄関の戸を開け、雨に濡れた駅前の道を、ぐに構内の列車に飛込み、自分の席にどっかと坐って、サメサメと泣いたというのです。
めいりこんでいて「伊藤が愛がないのでさびしくてしかたがない。高いがけの上からでも飛降とびおりて死んでしまいたい」といっていたが、感情がこうじてこんな事になったのか
柳原燁子(白蓮) (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
と思ううちに、光はたちまち消えて座敷は再びもとの闇、の恐しい婦人の姿も共に消えてしまった、私は転げるように寝台から飛降とびおりて、盲探めくらさぐりに燧木マッチを探りって、慌てて座敷の瓦斯ガスに火をとぼ
画工と幽霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
天井に潜伏かくれちく一聞屆け時分はよしと天井を飛降とびおり和尚を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)