飛切とびきり)” の例文
又、文学は無類飛切とびきりの好い職業で、人生にとってれ程意味あり、価値ある職業はないと云う人があっても、又決して喜ぶには当らない。
沢庵たくあんかじつて、紙と木片きぎれとで出来上つた家に住んでゐる日本人などと比べ物にはならないといふので、日本人が滅多に手も着けない飛切とびきりの上等品を買込むが
中川「小山君は鶏の肉が好きかね、それならば僕が今度君に無類飛切とびきりという鶏の肉を御馳走しよう、如何いかなる金満家も贅沢家もまだ滅多には試みない鶏料理を ...
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
私は元来無類飛切とびきりの臆病者の神経屋ですから、人殺しをしてからというものは、あらん限り気を付けて
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
礼ちゃんが新橋の勧工場かんこうばで大きな人形を強請ねだって困らしたの、電車の中に泥酔者よっぱらいが居て衆人みんなを苦しめたの、真蔵に向て細君が、所天あなたは寒むがり坊だから大徳で上等飛切とびきりの舶来のシャツを買って来たの
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
無類飛切とびきりのよい手掛かりをあの上﨟から引き出しました。
喇嘛の行衛 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「おう、いちごいちごだ、飛切とびきりいちごだい、まかつたまかつた。」
山の手小景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
用いるとか舞い立ちはどうとか飛切とびきりはこうとかそういう区別はあくまでも研究しながら今まで雉の食べ方を
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「今の鯨の肉は、鯨の尾の附根に当る処で、肉の層がアーチ型になっている処です。鯨肉の中でも極上飛切とびきりの処で、小鳥や牛肉でも追付かない無上の珍味だったのです」
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
無類飛切とびきりというフォックス・テリヤのお手本みたような仔犬を一匹持って来て令嬢に与えた。
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)