飛出とびで)” の例文
四入青梅よついりおうめの小さい紋の付きました羽織を着て、茶献上の帯を締め、ずか/\と飛出とびでて来て、三橋みはしの角で出会いました。
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
此時このとき二名にめい水兵すいへいは、わたくしめいしたがつて、いぬいだいて、鐵階てつかいのぼつた、鐵檻てつおりくるまうへからはまへにもいふやうに、すなすべりのたにそと飛出とびでこと出來できるのである。
はあ、うか、いや知らぬ、愚僧早走はやばしり、早合点はやがってんの癖で、用だけ聞いて、して来いな、とお先ばしりに飛出とびでたばかりで、一向いっこうに仔細は知らぬ。が、さては、根ざすところがあるのであつたか。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)