頭角とうかく)” の例文
皆若い人たちで暗く長い私の文運つたなかりし頃の人たちと違って、もう一年か二年で頭角とうかくを現わしたはなやかな人たちばかりであった。
落合町山川記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
なんの頭角とうかくも現わしていない高氏だったが、しかし、前執権ぜんしっけん(——彼の妻登子の兄北条守時は七月七日退職、新たに北条茂時が執権職につく)の義弟君おととぎみとして
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
東京朝日新聞とうきやうあさひしんぶん記者きしやにして考古家中かうこかちう嶄然ざんぜん頭角とうかくあらはせる水谷幻花氏みづたにげんくわし同行どうかうして、は四十一ねんぐわつ午前ごぜんくもり鶴見つるみ電車停留場でんしやていりうぢやう到着たうちやくすると、もなく都新聞みやこしんぶん吉見氏よしみし
歌は前篇の作者にくらべて劣るが凡手ぼんしゅでない、その時代に歌人として頭角とうかくを現わしていた人の筆になった傑作小説として、私は大弐の三位の家の集をずいぶん捜し求めたが現存していない。
その頭角とうかくすら認められず、柴田、丹羽、滝川などの諸将から見ればずっと末輩まっぱいに置かれていた頃なのに、当時、恵瓊が都から中国へ報じた吉川元春あての書状のうちには、偶然か
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)