音羽おとは)” の例文
かく是等を救助せずして静まるべきの筋にあらずとて、先づ救民小屋造立つくりたての間、本所回向院えこういん谷中やなか天王寺、音羽おとは護国寺、三田みた功運寺
手にかけたる者なれば解放ときはなせしとてすぐ音羽おとはかへさば如何なる災禍わざはひおこらんも計られず又かの親子しんしも家主を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
行列を越して音羽おとはの大通を見た。九丁目から一丁目まで真直である。空気は澄切つて遠くも近くも総て同じ色に見える。白いものは益〻白く、白地の袖が糊ばんで冷たさう。
茗荷畠 (新字旧仮名) / 真山青果(著)
もう一度引返して、寅五郎をうんと怨んでゐるといふ音羽おとはの荒物屋利八のその晩の樣子と、それから、犬の死んだ前の日、變な野郎が來なかつたか、それを訊いて來るんだ。宜いか
音羽おとはの滝にくれなゐくちそそがむ
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
音羽おとは久一……。
示せしより今度音羽おとは町の浪人らうにん大藤武左衞門の娘お光が矢張やはり癲癇てんかんうれひありとて愚老ぐらうの方へ療治れうぢをば頼に來しゆゑ診察しんさつするに數年の病のかうぜしなれば我妙藥わがめうやくの力にても到底つまり全快覺束おぼつかなければ一時は之を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)