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静穏
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せいおん
ふりがな文庫
“
静穏
(
せいおん
)” の例文
旧字:
靜穩
と云いかけて再び言葉を
淀
(
よど
)
ました。妻は興有りげに一心になって聞いている。庭には梧桐を動かしてそよそよと
渡
(
わた
)
る風が、ごくごく
静穏
(
せいおん
)
な合の手を
弾
(
ひ
)
いている。
太郎坊
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
ついに維新の前後より
廃藩置県
(
はいはんちけん
)
の時に際し今日に至るまで、中津藩に限りて無事
静穏
(
せいおん
)
なりし
由縁
(
ゆえん
)
なり。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
日々に訳す暗号電報から、味方の
惨敗
(
ざんぱい
)
は明かであった。連日
飛来
(
ひらい
)
する米機の様相から、上陸が間近であることも
必至
(
ひっし
)
であった。不気味な殺気を
孕
(
はら
)
んだ
静穏
(
せいおん
)
のまま、季節は八月に入って行った。
桜島
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
疑うべき
静穏
(
せいおん
)
!
異
(
あやし
)
むべき
安恬
(
あんてん
)
! 名だたる
親不知
(
おやしらず
)
の荒磯に
差懸
(
さしかか
)
りたるに、船体は微動だにせずして、
畳
(
たたみ
)
の上を行くがごとくなりき。これあるいはやがて起らんずる天変の
大頓挫
(
だいとんざ
)
にあらざるなきか。
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「昨夜は
極
(
きわ
)
めて
静穏
(
せいおん
)
でしたな。報告するほどの事件は一つもなかった。いや、正確に申せば只一件だけあった。
深夜
(
しんや
)
池袋駅
停
(
どま
)
りの省線電車の中に、人事不省になった一人の男が鞄と共に残っていたというだけのことです」
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
静
常用漢字
小4
部首:⾭
14画
穏
常用漢字
中学
部首:⽲
16画
“静”で始まる語句
静
静寂
静謐
静粛
静止
静々
静岡
静脈
静坐
静御前