雪見燈籠ゆきみどうろう)” の例文
新字:雪見灯籠
みぎよそほひでスリツパで芝生しばふんで、秋空あきぞらたか睫毛まつげすまして、やがて雪見燈籠ゆきみどうろうかさうへにくづほれた。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その茶寮の縁先からは、遠からぬ所の御行おぎょうの松が、夜の空を摩してのぞまれますし、広い庭は、雪見燈籠ゆきみどうろう空堀からぼり那智なち石も、落葉にまって冬ざれの霜の荒れにまかせてあります。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「その雪見燈籠ゆきみどうろうの笠を見てくれ」
金色夜叉こんじきやしや中編ちうへんのおみやは、この姿すがたで、雪見燈籠ゆきみどうろう小楯こだてに、かんざきつゝじのしげみにすそかくしてつのだから——にはに、築山つきやまがかりの景色けしきはあるが、燈籠とうろうがないからと、ことさらにゑさせて
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)