離散りさん)” の例文
神事じんじをはれば人々離散りさんして普光寺に入り、はじめ棄置すておきたる衣類いるゐ懐中くわいちゆう物をるに鼻帋はながみ一枚だにうする事なし、かすむれば即座そくざ神罰しんばつあるゆゑなり。
そして其の屍體したいが地の底におさまるか納まらぬに、お房の家は破産の宣告せんこくを受けて一離散りさんとなツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
文学に集まった友の群れも離散りさんした。かれ自身にしても、文学書類を読むよりも、絵画の写生をしたり、音楽の譜の本を集めてオルガンを鳴らしてみたりすることが多くなった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
すべてそのおもむきおなじうして、自から苦楽くらくを共にするときは、離散りさんすること能わず。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
めでたく穴山梅雪あなやまばいせつちとりはしたが、離散りさんして以来のつもる話もあるし、これからさきのそうだんもある折から、爽快そうかいなる大雨たいうの襲来は、ちょうどいい雨宿あまやどりであろうと、一同は
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一家の離散りさん
神事じんじをはれば人々離散りさんして普光寺に入り、はじめ棄置すておきたる衣類いるゐ懐中くわいちゆう物をるに鼻帋はながみ一枚だにうする事なし、かすむれば即座そくざ神罰しんばつあるゆゑなり。
晴天風なき時日いづれば十三の小嶋おの/\離散りさんして池中に遊ぶが如し、日入れば池の正中まんなかにあつまりて一ツの嶋となる。此池に種々の奇異きゐあれどもぶんおほければしるさず。
晴天風なき時日いづれば十三の小嶋おの/\離散りさんして池中に遊ぶが如し、日入れば池の正中まんなかにあつまりて一ツの嶋となる。此池に種々の奇異きゐあれどもぶんおほければしるさず。