雅邦がほう)” の例文
きょう日、雅邦がほうの絵は万金の値を生じているが、日本最初の博覧会に出品した時には、入選することさえできず、また初期の美術展覧会に落選していた。
現代能書批評 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
橋本雅邦がほう川端玉章かわばたぎょくしょう、狩野友信とものぶ結城正明ゆうきまさあきなどいう先生方が絵画の方を受け持たれ、木彫は竹内久一先生、それから私が這入ってその方をやっておった。
先日の朝日新聞社の大展覧会でみた雅邦がほうでもコケオドシとしか見えなかった。春挙しゅんきょでも子供だましとしか思わなかった。そんな目で展覧会を見て評をするのは気の毒のような気もする。
昭和二年の二科会と美術院 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
まことのちかを開くために生まれて来たような本居宣長の生涯なぞがこんな時に顧みられようはずもなかった。橋本雅邦がほうは海軍省の製図に通うといい、狩野芳崖かのうほうがいも荒物屋の店に隠れた。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
椿岳は芳崖ほうがい雅邦がほうと争うほどな巨腕ではなかったが、世間を茶にしてなぐった大津絵おおつえ風の得意の泥画は「おれの画は死ねば値が出る」と生前豪語していた通りに十四、五年来著るしく随喜者を増し
無理かも知れぬが、試みに画家に例えるならば、栖鳳せいほう大観たいかんのうまさではない。靫彦ゆきひこ古径こけいでもない。芳崖ほうがい雅邦がほうでもない。華山かざん竹田ちくでん木米もくべいでもない。呉春ごしゅんあるいは応挙おうきょか。ノー。
河豚のこと (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
無理かも知れぬが、試みに画家に例えるならば、栖鳳せいほう大観たいかんの美味さではない。靫彦ゆきひこ古径こけいでもない。芳崖ほうがい雅邦がほうでもない。崋山かざん竹田ちくでん木米もくべいでもない。呉春ごしゅんあるいは応挙おうきょか。ノー。
河豚は毒魚か (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)