門際もんぎは)” の例文
さむいと見えて、かたすぼめて、両手を前で重ねて、出来できる丈外界との交渉をすくなくしてゐる。美禰子は此凡てにがらざる態度を門際もんぎは迄持続した。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
觸出ふれだして天一坊は直樣敷臺より乘物のりものにて立出れば越前守は徒跣はだしにて門際もんぎはまで出て平伏す駕籠脇かごわきすこし戸を引ば天一坊は越前ゐるかと云に越前守ハツと御うけ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ばうさんは道子みちこ孝心かうしんを、いまにはまれなものとして絶賞ぜつしやうし、そのかへるのを門際もんぎはまでおくつてやつた。
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)