鏡台きやうだい)” の例文
旧字:鏡臺
部屋へやには箪笥たんすほかに、鏡台きやうだいもある。針函はりばこもある。手文庫てぶんこもある。秘密ひみつがあるとすれば、其等それらなかにもいとはしがたい。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
いかほど抱主かゝへぬし歩割ぶわりられても、自分じぶん一人ひとりでは使つかれないくらいで、三ねん年季ねんきけるころには鏡台きやうだい箪笥たんすつてゐたし、郵便局いうびんきよく貯金ちよきんまん以上いじやうになつてゐたが、かへるべきうちがないので
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
文庫ぶんこのなかをさがしてもなかつた。鏡台きやうだいにも針箱はりばこにも箪笥たんす抽斗ひきだしにもなかつた。大方おほかた焼棄やきすてるか如何どうかしたのであらう。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)