鎮江ちんこう)” の例文
鎮江ちんこうたたかいに、とらえられてばくせらるゝや、勇躍して縛を断ち、とうを持てる者を殺して脱帰し、ただちに衆を導いて城をおとしゝことあり。勇力察すし。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
鎮江ちんこうこう夫人はひとりぼっちで子供がありません。もし奥さんがいらっしゃるなら、きっと大喜びをしますよ。」
庚娘 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
周将仕は再び府庁に往ってそのことを云ったので、許宣は許されることになったが、許宣を置く地方が悪いということになって、鎮江ちんこうの方へはいを改められた。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
盛庸等海舟かいしゅうに兵を列せるも、皆おおいに驚きおどろく。燕王諸将をさしまねき、鼓譟こそうして先登せんとうす。庸の師ついえ、海舟皆其の得るところとなる。鎮江ちんこうの守将童俊どうしゅんす能わざるを覚りて燕に降る。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そして舟で鎮江ちんこうを渡って金山きんざんに登ろうとした。舟が中流へ出た時、不意に一そうの小舟がれ違った。それに一人の老婆と若い婦人が乗っていたが、その婦人がひどく庚娘に似ていた。
庚娘 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)