銃猟じゅうりょう)” の例文
と実物について説明する時来会者のうちより進み出でたる一人「中川さん、鳥のついでに伺いますが私は銃猟じゅうりょう道楽で毎度野山の獲物えものを ...
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
だがそのあいだに、銃猟じゅうりょうや魚つりでもっておぎないをせねばならぬ、かれは幼年組につり道具をやって、モコウとともに魚つりにだしてやった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
銃猟じゅうりょうは面白いものであろう。小鳥はうまいものである。此村にはあまり銃猟に来る都人士もないので、小鳥は可なり多い。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
外で四時間ばかり待って居りますとようやく総理殿下(国王の実権あるゆえ殿下というなり)が大象に乗って銃猟じゅうりょうに出掛けるのに出遇であいました。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
後輩の自分が枯草色かれくさいろの半毛織の猟服りょうふく——そのころ銃猟じゅうりょうをしていたので——のポケットにかたからった二合瓶にごうびんを入れているのだけが、何だか野卑やひのようで一群に掛離かけはなれ過ぎて見えた。
野道 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
げんに後日、彼の砲撃にあずかりたるる米国士官の実話じつわに、彼の時は他国の軍艦がかんとするゆえいて同行したるまでにて、あたか銃猟じゅうりょうにてもさそわれたるつもりなりしと語りたることあり。
唯書いて見たかつたといふまでの事、同級の生徒が写真ヴァイオリン銃猟じゅうりょうなどにりしも同然当人だけはおおいに志あるやうに思ひしかど、大人おとなから見ればやはり少年の遊戯に過ぎざりしなるべし。
小説作法 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
銃猟じゅうりょう道楽は天下に多し。走獣そうじゅう飛禽ひきん捕獲ほかくするの術は日に新しきを加うれどもその獲物えものの料理法を頓着とんじゃくするものははなはまれなり。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
アハハ、それも銃猟じゅうりょうに行って兎一羽を撃つ費用から比べたら何でもありますまい。随分今の銃猟紳士は兎猟に行って旅店やどやへ泊って晩酌ばんしゃくにビールや葡萄酒ぶどうしゅの一本位傾ける事も毎度ありましょう。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)