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よいどれ
ふりがな文庫
“
酔漢
(
よいどれ
)” の例文
それは
酔漢
(
よいどれ
)
の声でした。静な雪の夜ですから、濁った
音声
(
おんじょう
)
で
烈
(
はげ
)
しく呼ぶのが
四辺
(
そこいら
)
へ響き渡る、思わず三人は顔を見合せました。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
また彼が受けてる世間の尊敬は、
酔漢
(
よいどれ
)
の不品行を他人に忘れさせるのに役だたないではなかった。また彼は一家の貧しい暮しを助けてくれた。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
酔漢
(
よいどれ
)
のように呶鳴る味噌松の声が、まだここまで聞えてくる。ぴしゃり、というあの音は、鳶の一人が頬でも張ったか——。
釘抜藤吉捕物覚書:03 三つの足跡
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
喧嘩もすんで、
酔漢
(
よいどれ
)
どもがやっと二階へ引揚げたのは夜の八時ごろ、いずれも泥のようになってすぐ寝た。
世間師
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
両方の肱や膝は大きく破れたり泥まみれになったりして、ボタンが二つ程ちぎれて、カラーが右の肩にブラ下っている姿は
恰度
(
ちょうど
)
、
酔漢
(
よいどれ
)
と乞食との
混血児
(
あいのこ
)
を見るようである。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
「いや、いや、私が聞いただけでも、何か、こうわざと
邪慳
(
じゃけん
)
に取扱ったようで、
対手
(
あいて
)
がその
酔漢
(
よいどれ
)
を
労
(
いたわ
)
るというだけに、黙ってはおられません。何だか
寝覚
(
ねざめ
)
が悪いようだね。」
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
黙って額の汗を拭いて、また
酔漢
(
よいどれ
)
の方を覗いた。酔漢は巡査に片手を取られたままのそりのそり歩いていった。黒眼が上眼瞼に引きつけて、じっと前方を睥んでいるようであった。
田原氏の犯罪
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
地の青馬にうち
跨
(
またが
)
っている
酔漢
(
よいどれ
)
を見たか?
ルバイヤート
(新字新仮名)
/
オマル・ハイヤーム
(著)
内心に渦まく殺気を持てあまして、その一本腕がうずうずするとき、左膳はよく、こうした
酔漢
(
よいどれ
)
のような態度をとるのだ。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
わしはどんなことをした
報
(
むく
)
いで、あんな
酔漢
(
よいどれ
)
を息子に持ったのか! わしのような生活をし、万事に不自由な目を忍んだのも、むだな骨折りだったのか!……だがお前は
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
可
(
よ
)
かあねえだ。もの、
理合
(
りあい
)
を言わねえ事にゃ、ハイ気が済みましねえ。お前様も明神様お
知己
(
ちかづき
)
なら聞かっしゃい。
老耆
(
おいぼれ
)
の
手
(
てん
)
ぼう
爺
(
じじい
)
に、若いものの
酔漢
(
よいどれ
)
の
介抱
(
やっかい
)
が
何
(
あに
)
、出来べい。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“酔漢”の意味
《名詞》
かなり酒に酔っている男性。酔っ払い。
(出典:Wiktionary)
酔
常用漢字
中学
部首:⾣
11画
漢
常用漢字
小3
部首:⽔
13画
“酔漢”で始まる語句
酔漢奴