郎等らうどう)” の例文
武蔵の騒がしいことを聞くと、武芝は近親では無いが、一つ扱つてやらう、といふ好意で郎等らうどうしたがへて武蔵へおもむいた。武芝は喜んで本末を語り、将門と共に府に向つた。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
五位と利仁とが、こんな話をしてゐる中に、一行は、郎等らうどうたちの待つてゐる所へ来た。「大儀ぢや。」と、利仁が声をかける。蹲踞してゐた連中が、忙しく立つて、二人の馬の口を取る。
芋粥 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
のあたりにすまふなるだい/\長者ちやうじや吉例きちれいよろ昆布こんぶ狩衣かりぎぬに、小殿原ことのばら太刀たち佩反はきそらし、七草なゝくささと若菜わかなむとて、讓葉ゆづりはつたるが、郎等らうどう勝栗かちぐりんでいはく、あれに袖形そでかたうらなぎさに、むらさき女性によしやうそ。
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)