遺恨ゐこん)” の例文
御召捕に相成し哉と存じ居候所扨は此忠兵衞が仕業しわざなるか夫にて漸々相分り申候此忠兵衞事私しへ對し遺恨ゐこんの儀御座候に付かくはからひ私しを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
誰が殺したか解らぬが、拙者に取つては千載せんざい遺恨ゐこん、鳴川留之丞は是が非でも討取るべき相手であつたし、鞍掛宇八郎にも一言のうらみが言ひ度かつた。
此事あつてより将門は遺恨ゐこんがたくなつたであらう、今までは何時いつも敵に寄せられてから戦つたのであるが、今度は我から軍をひきゐて、良兼が常陸ひたちの真壁郡の服織はつとり
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
いえ、やさしい氣立きだてでございますから、遺恨ゐこんなぞけるはずはございません。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
遺恨ゐこんに思ひ音信不通ふつうに仕つり其上に昌次郎夫婦をかねねらひ候と相見え柏原と申す所へ夫婦ふうふ罷越まかりこし候跡より付行日ぐれをはかり兩人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
遣はし其後源八があそびに來りし時皆々折目高をりめだか待遇もてなしける故源八は手持てもち無沙汰ぶさた悄々すご/\と立歸り是は彼の文の事を兩親の知りし故なりとふか遺恨ゐこんおもひけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)