連合つれあひ)” の例文
この仕事をはじめかけた頃、次男と三男は相前後して歐洲への畫學修業に遠く旅立ち、長兄の連合つれあひにあたる嫂が青山の親戚の家の方で亡くなつた。
桃の雫 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
此年の春早く、連合つれあひに死別れたとかで独身者ひとりものの法界屋が、其旅宿に泊つた事がある。お夏の挙動は其夜甚だ怪しかつた。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
一寸内証ないしようで言つておくが、これは亭主にとつても同じ事で、女房に好かれようと思つたら、途中で自分の連合つれあひに出会つても、成るべくぽうを向いてゐる事だ。
頭がないといつたが無智なのではない。生活共同戰線へたつときには、たのもしい連合つれあひである。
下町娘 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
一寸ちよつとなりともきかるゝなら私もお前に云事ありお前の連合つれあひ道十郎殿あん事柄ことがらなられしは全く誰もる者なし實はあのをり十兵衞をころした奴は外にある夫を知て居らるゝかと聞よりお光は飛立とびたつおもひ其十兵衞を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
豐田のお婆さんの亡くなつた連合つれあひだの、親戚にあたる年老いた漢學者だの、其他豐田さんの身のまはりの人で父の懇意な人は澤山ありまして、國に居る頃は父もまだ昔風に髮を束ねまして
上私し主人喜内儀病氣にて平臥へいぐわまかり在候節私し同樣若黨わかたうつとめ居候吾助と申者夜中やちうひそかに主人喜内を刺殺さしころ出奔しゆつぽん致し候に付夫より右喜内妹花と申者と同人連合つれあひ澤井友次郎并びに私し三人にて吾助が行方ゆくへ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)