造物つくりもの)” の例文
又は造物つくりもの床几しょうぎ等を出したり入れたり按配あんばいしたりする加減に注意するので、そんな仕事のない能では、初めからしまいまで唯座っているきりである。
能とは何か (新字新仮名) / 夢野久作(著)
春秋はるあきはな紅葉もみぢつゐにしてかんざし造物つくりものならねど當座たうざ交際つきあひ姿すがたこそはやさしげなれ智慧ちゑ宏大くわうだいくは此人このひとすがりてばやとこれも稚氣をさなげさりながら姿すがたれぬはひとこゝろわらひものにされなばそれもはづかしなにとせんとおもふほど兄弟きやうだいあるひとうらやましくなりてお兄樣あにいさまはおやさしいとかおまへさまうらやましとくち
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)