追廻おいまわ)” の例文
さぎかわうそましらたぐいが、うおあさるなどとは言ふまい。……時と言ひ、場所と言ひ、しからずすさまじいことは、さながらおおかみが出て竜宮の美女たちを追廻おいまわすやうである。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
室中へやじゅう追廻おいまわる事は出来ません(荻)それそうだな(大)爾ですから是は左ほどの老人では有りません随分四十に足らぬ中に白髪ばかりに成る人は有ますよ是も其類です
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
もしやぐずぐずしていてまた形勢が一変すると困る。それに両親や外の人は漸く婚礼延期を承諾したけれども御当人のお代先生がしきりに残念がって内々大原君を追廻おいまわすようだ。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
だんだんおにのようなこころになって、いつもこのかたきにして、ったり、たたいたり、家中うちじゅう追廻おいまわしたりするので、かわいそうな小児こどもは、始終しょっちゅうびくびくして、学校がっこうからかえっても