“輪𢌞(りんね)” の例文
まあ待つがいい。世は輪𢌞(りんね)だ。パリーの精神、偶然で子供を作り宿命で人を作るその悪魔は、ラテンの壺屋(つぼや)の車を逆さに回して、新しい壺を古代の壺にしようとしている。
と曲(ま)げた腰(こし)も立(た)ちあへず、石(いし)を噛(か)む齒(は)の根(ね)に蹲(うづく)まつた。草(くさ)も荒(あ)れ、地(ち)も破(わ)れて、樹蔭(こかげ)を洩(も)る月(つき)斷々(きれ/″\)に、骨(ほね)を碎(くだ)いて散(ち)らしたれば、片輪車(かたわぐるま)の影(かげ)を倒(たふ)して、輪𢌞(りんね)を凄(すご)く描(ゑが)ける其(そ)の状(さま)。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
そを何故とも言ひ難けれど、この念は今も猶失(う)することなし。若しわれ等輪𢌞(りんね)應報の教を信ぜば、われも君も前生は小鳥にて、おなじ梢に飛びかひぬともいひつべし。君にはさる記念なしや。
輪𢌞(りんね)の小鳥は砂原のかげに死んでしまつた。
青猫 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
見れば輪𢌞(りんね)が泣きしやくる。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)